加賀さんの思い
2017年 03月 31日
昨日搬入にきてくださって、
展示真っ最中です。
人気のpan皿は40枚。
一堂にたくさんご覧頂けるのが
展示会の良さなんですが、このように
節が表に出ているお皿もあります。
無垢の木で制作されるとどうしても
こういった節があるのですが、
「それも個性として見ていただけたら
嬉しいです」
と、そんなお話もしました。
昔家具メーカーで働かれていた時に、
節があって家具として使えない、
仕方なく端材として処理されてしまう
木片をなんとかできないかと考えた
ところから作品作りがスタートしたと
言われます。
「例えば魚を食べるとき、
骨以外全部食べて命を生かしたい、
そんな『御馳走様』の感覚と似てる
かもしれませんね」
と。
この、節がある一枚そのものが
加賀さんの思いが凝縮されて
表現されたものではないかと
改めて感じました。
節はその木が育ってきた証。
同じものはこの世に一枚としてなく。
そう思うとむしろ節がでてきたところが
愛おしいような、存在が可愛いような、
そんな気がしてきます。
「きっと、木工作家は皆そう思って
らっしゃると思いますよ」
そう話されていました。
個人作家だからこそできる、
細やかな仕事や思いにも気持ちを
馳せながらご覧頂けたら幸いです。