<   2015年 09月 ( 6 )   > この月の画像一覧

庖丁講座、研ぎ編です。


まとめるのにお時間掛かってすみません。




研ぎに大事な点は5点あるのですが、他にもいろいろ書かせて頂いています。


長いのですが(汗)、よろしかったらお付き合いください。




庖丁研ぎ、廣瀬さんのお話お聴きするまでなんと自流でやっていたものかと思います。




まず、砥石。

写真左は廣瀬さんのところで買わせてもらった中砥石。右はホームセンターで買って使っていた荒研ぎと中仕上げ研ぎ両面のものです。

c0155980_00573747.jpg


砥石は短いものより長めのものを選んだ方が良いのだそうです。

右のものは荒目と仕上げが裏表で両方ついているのですが、どちらも家庭の庖丁研ぎには帯に長し襷に短し、中途半端だそうで残念。しかも荒目と仕上げは家庭ではほとんど必要ないとか(汗)

何か他の刃物に使おうと思ったのですが、ここで初めて知ったことが。


鋏は研ぎたくても絶対触らない方がいいそうです。鋏は2本の刃の絶妙なバランスで成り立つもの。研ぐとこのバランスが崩れ、切れない庖丁どころではなく、全く使い物にならなくなるそうです。

廣瀬さんも庖丁以外の刃物は研がないと言われます。鋏にしてもノミ、カンナにしても、それぞれに絶妙なバランスで作られたもの。安心して任せられるプロの方を見つけておきたいですね。


前置きが長くなりましたが本編に。

気を付けておくのは5つのことです。

(鋼は月に一度、ステンレスなら週一度が目安です)


【ご注意】

写真はまな板に直接砥石を置いていますが、動くと危ない場合はお布巾を敷いてください。

c0155980_00595681.jpg
c0155980_01001307.jpg

ーーーーーーーーーーー

1.  心得(砥石について)


砥石は使用前に十分水を含ませます。(約20分)


添える手に力を入れず、肘で動かし前に押し出すように、1箇所10回ぐらいずつ研ぎます。(*必ず一箇所の回数は全て同じに)

研いでいる時に出てくる泥(庖丁と砥石の粉が混じった水)を洗い流さないようにします。

砥石で研いでいるのではなく、この泥で研いでいるそうです。

ーーーーーーーーーーー

2. 庖丁と砥石が交わる角度


先から手元までを三等分に考え、全体にまんべんなく研ぎます。

(庖丁のサイズによります。長いものなら4等分、短いものなら2等分に)


表を研ぐ時には庖丁と砥石が交わる角度は25°〜30°、裏側は70°〜80°です。

ーーーーーーーーーーー

3.  刃の角度


両刃の場合、砥石と接する面の角度は鋼の庖丁なら15°、ステンレスなら30°に。

(片刃は表を刃の角度に、裏は平らに押し付ける)

ーーーーーーーーーーー

4.  カエリ(刃のまくれ)の確認


両刃は、表を研いで、研いだ刃の裏面にカエリ(刃先のまくれ)があることを確認したら裏側を同じ表と回数研ぎます。

(片刃:カエリの確認後、裏は10回研ぎます)

ーーーーーーーーーーー

5.  仕上げ


仕上げは泥を一掬いの水で洗いながら、両面軽く5回ずつ。カエリが取れたら上がりです。

(ステンレス刃は刃先へが弱いので仕上げはしなくて良いそうです)

ーーーーーーーーーーーーーー

他の研ぐ時の注意としては、研ぎやすいところばかり研いでいると庖丁の形が変わってしまうため、偏りなく研ぐことが大事だそうです。

砥石が偏ってしまったら、コンクリートなどで(ブロックなどは必ず平らなのでうってつけです)こすって平らにします。

また、1〜3年に一度は信頼できる専門店にメンテナンスしてもらうと、庖丁の寿命に繋がります。


庖丁それぞれには役割があり、それに合わせた整え方が必要です。なかなか素人ですと、その見極めが難しいですね。

蕎麦切り庖丁などはプロでも砥ぎが非常に難しいそうです。水平でなければなりませんし、切り跡がくっきり立っていないと喉越しの良い美味しい蕎麦にならないのだとか。


よく質問に出るそうなのですが、「庖丁を火に炙ること」について。

たまに見かけることもありますよね。でも、これは厳禁だそうです。

炙ることで焼きが戻ってしまい、切れない庖丁になってしまいます。

ケーキなど切る時には庖丁を温めたいですが、その場合はお湯に浸けてくださいとのこと。

お肉やお魚を切った後の庖丁まな板の消毒も、洗ってから(そのまま湯を掛けると隙間に入って凝固します)からお湯を。


庖丁を守り(もり)することは次のことに繋がります。(切る時は押し付けずスライドさせることも基本に)

・切り口にツヤがでる。

・食感がよく、角が立つ。

・素材の勢いを出す

・鮮度が保たれる

・味の染み込みがいい(火が入る)



守り(もり)とは、

「心を寄せて同じ目線で庖丁に向き合い、感謝すること」。

このことは、ノウハウも大事ですが、廣瀬さんがまずお伝えになりたかったことだと思います。


毎日庖丁守りしていて面白いことがあります。

「シンクも」「お部屋も」「お風呂も」とどんどん手入れが繋がっていくこと。

実は表面に見えていることは一部で、モノも人も、大事なことは全部底で意識が繋がっているのだと感じさせられています。



もし機会がありましたら、是非直接お話をお聴き頂きたく思います。

ここに書かせて頂いたことと比べ物にならない感動があります。


こちらでもまたいつか、そのような機会を設けさせて頂けたらと思います。



前回に続き長くなりましたが、最後までお読みくださって本当にありがとうございました。


また、講座に参加してくださった皆様、廣瀬さん、ご縁をくださったviorto!(http://viorto.com/)の今枝ゆかりさん、本当にありがとうございました。


*********************

〈庖丁講座〉

庖丁コーディネーター

廣瀬康二さん


食道具 竹上

〒629-0101 

京都府南丹市八木町船枝半入58-2

TEL 0771-20-1604

FAX 0771-20-1604

EMail hirose@kyototakegami.com

(出ておられることも多いので、お店に行かれる時はご連絡なさった方がよいそうです)

http://kyototakegami.com/


Facebookページ

(動画もあります)

https://www.facebook.com/kyototakegami


[PR]
by yukuri-2006 | 2015-09-16 00:53 | *お手入れ方法 | Trackback | Comments(0)

先日はお休み頂き、失礼しました(汗)度々すみません…



庖丁、「日々の守り」編です。

また長くなりますが、失礼します。


まず使っている最中です。

料理人が切っては庖丁を布巾で拭くのを見られたことがあるかもしれませんが、ご家庭でもこの作業が必要だそうです。


水分と野菜などのアクが、庖丁を傷める一番の原因。これをこまめに拭いてやることで、良い状態を長く保てます。


一日の終わりには、庖丁とまな板をナイロンタワシと研磨剤(クレンザーやジフ等)で磨きます。


毎日砥石で研がなければならないというのは実は間違いで、これだけで日々のお手入れは充分だそうです。


写真に撮ってまとめてみましたので、ご覧頂けたらと思います。


(追記:刃先を磨く時は、刃先を浮かさないようにお気を付けください)

c0155980_00460830.jpg


c0155980_00464852.jpg

c0155980_00500362.jpg

c0155980_00475607.jpg

c0155980_00482785.jpg

c0155980_00484260.jpg

c0155980_00490051.jpg

柄が意外と盲点で、ここが割れたりするのは汚れが中まで入って膨張した結果なのだとか。食中毒の原因になることもあります。


私も食品衛生管理者の講義で食中毒のことは聴いていたのですが、ここは触れられなかったですね。


それから食器洗浄機や乾燥機も柄や刃に負担を掛けるので、入れてはならないそうです。


もうひとつ。まな板は是非木製をお使いください。プラスチック製のものは刃が滑ることもありますし、受け止めず刃に負担を掛けるそうです。木であれば、しっかり刃を受け止めて綺麗に切ることもできます。


衛生面からプラスチックを選ばれることも多いかと思いますが、木のまな板も、使用前に水で濡らして目を埋めることで汚れや匂いも付きにくく衛生的に使えます。

(ここは、焼締や粉引の器にも共通しますね(*^^*))



使用後、粗塩で磨いても除菌になるそうです。


(もしカビが生えても、自力でカンナ掛けやヤスリはお使いにならず、熟練した専門家に相談してください)


一度に研ぎまでいくとややこしくなるので、研ぎ編は次の記事にしますね。


長い記事ですが、最後までお読みくださってありがとうございます。








[PR]
by yukuri-2006 | 2015-09-16 00:43 | *お手入れ方法 | Trackback | Comments(0)

お知らせ

急で申し訳ありません。

本日11日金曜日は都合によりお休みさせて頂きます。

ご予定になさっていた方すみません、何卒ご了承ください。

(通常営業日  木金日)

庖丁講座レポートの途中ですが、
研ぎ編また書かせて頂きますね。


[PR]
by yukuri-2006 | 2015-09-11 09:46 | *お知らせ | Trackback | Comments(0)

庖丁講座のレポート

庖丁講座、大変好評のうちに昨日終了しました。ありがとうございます。
レポート、少し長くなりますがお読み頂けたら嬉しいです。

今回お呼びした京都の「食道具 竹上」の廣瀬さんのお仕事は、それぞれ分業された職人さんの仕事を一つにまとめ、バランスよく程よい重さのある庖丁を作ることです。

刃の形状、角度、歪みがないかをチェックするだけでなく、焼きをあと2秒長くしてほしいと指示するなど、非常に繊細な感覚で仕上げられています。

今回「庖丁の文化と正しい研ぎ方と選び方、料理が美味しく愉しくなるお手入れの方法」と題して講演頂きましたが、単に「包丁の研ぎ方」というノウハウの話であればネットでも調べることも出来ますが、廣瀬さんのお話はもっと深いところ、「心を寄せる」ところから始まります。
料理を美味しくすることは器とも深い繋がりがあり、この度の講演も大変ご興味を持ってお受けくださいました。

「管理と守り」、その違いは対象に対しての愛情であり、道具も食材も人も同じ、日々心を寄せて愛情を注がれたものは必ず応えてくれるということがその真髄のように思いました。
守りとは過保護に手を掛けすぎることではなく、常に様子を見ながら適切なところで世話をしてやることなのですね。

料理は素材、出汁が一番といいますが、まずその素材を活かすためには良い道具を使うこと。道具によっては、逆に素材の良さを殺すこともあります。

「昨今、ご家庭の庖丁はステンレスのものが多いですが、是非鋼のものをお使い頂きたい」

とお話しになるのは、金属の性質から刃の硬さと角度が違うこと、お料理を美味しくする切れ味は、その刃の角度の鋭さから生まれるものだからだそうです。
(かといってステンレスが悪いものではなく、手入れをしやすくするために作られたもので、そういうものだと知って使われるのがいいとも言われていました)

※切れ味と手入れのしやすさを同時に実現するために、鋼をステンレスで包んだ、刃先のみ鋼の庖丁も作られています。背まで鋼が入っているので、最後まで切れ味の良さが続きます。(税別13500円前後)
http://kyototakegami.com/item/%e4%b8%89%e5%be%b3%e8%8f%9c%e5%88%87


良い庖丁とは、庖丁そのものが良ければいいものではなく、手入れや守りのできる、身の丈にあったものを選ぶ必要があることも学びました。

廣瀬さんがご家庭にお薦めされる庖丁は、軟鉄と鋼を合わせて研ぎやすくしたものです。
一流の料理人が使うような鋼のみの高価な本焼き庖丁を一般の方が使っても、最初は切れても研ぐには高い技術が必要で、日々の守りをすることができないのですね。

道具選びとは、非常に繊細なものなのですよね。自分が道具を選んでいるようでいて、実は道具に選ばれているのではないか、そのような気もしました。

この度参加してくださった方々から、
「目から鱗が落ちる思いだった」「これからの人生が変わるくらい良かった」
など、嬉しい言葉をたくさん頂戴しました。
私自身もお聴きしたのは二度目でしたが、また感動しています。一度目とはまた違う、二度目の感動がありました。何度も講演に参加されているという方のお気持ちがわかります。

最初に「庖丁をまとめ上げ作るお仕事」とご紹介しましたが、それだけではない「日本文化の素晴らしさを伝えるお仕事」がその本質なのだと思います。

「素材を活かすと云うことは、食べ物の命を大事にすることに繋がり、更にはそれを作る生産者さんや漁師さんを大切にすることに繋がります。
和・日本の素晴らしい、庖丁ひとつで料理の美味しさが変わる「庖丁料理文化」を発信します」
と語る廣瀬さん。

庖丁とは、単なる刃物ではなく。
「包」ではなく本来の「庖」の文字にこだわられているのは、命を繋ぐ古代からの神聖な道具に対する使命を感じておられる、その意志を表されたものです。
また機会を設けて是非お願いしたいと思います。

長い文章、最後までお読みくださってありがとうございました。
内容があまりに深く、まだまだお伝えできてないところはありますが、肝心の守りのお話はまた明日以降。

いつか直接お話お聞き頂けたら嬉しく思います。

「食道具 竹上」
http://kyototakegami.com/
※庖丁を新調したい方は、こちらにご連絡されると制作して送ってくださいます。通販もなさっています。


ー 写真レポート ー

真剣にメモを取られながら聴き入る皆様。 男性の方も参加してくださいました。
c0155980_00173712.jpg

研ぎの「かえり」について説明される廣瀬さん。内容の素晴らしさもさることながら、廣瀬さんのお話、まるで噺家さんのように聞いていて気持ちの良いもの。速くて言葉が多くても、聞く側に負担なく入ってきますわかりやすく入ってきます。
c0155980_00203252.jpg

所作の美しい研ぎの実演。
ステンレスの庖丁を研ぐ際は、この30度の角度で。10円玉が2枚入るくらいです。
鋼はこの半分、15度で。
c0155980_00492260.jpg

様々な種類の庖丁。
手前右から3本は、ステンレスでコーティングしたものです。
私が使っているものは右から4本目のもの。迷ったら三徳庖丁がお薦めだそうです。
c0155980_00511658.jpg





[PR]
by yukuri-2006 | 2015-09-06 23:37 | *イベント | Trackback | Comments(0)

庖丁講座の準備

9月始まってすぐなのに、もう秋の気配。
中庭からいろんな秋の虫たちの鳴き声が響きます。
残暑が長引くことが多いのに、今年は早いですね。

土曜日に開催される庖丁講座の準備をしています。
今日もご参加の申し込みがあり、賑やかになりそうです。私も久々にお聞きするので復習をしたいと思います。
ちょうどお預けしている庖丁も、廣瀬さんが仕上げて持ってきてくださるそう。
楽しみです!

ネットショップも、少しずつ増やしているところです。
今日は久しぶりの備前焼岡本白水さんの碗を。

お名前がない方のも、今後記載していきます。
HPの方も、各作家や作品、素材のご説明のコーナーなど開設していく予定です。


ネットショップ






[PR]
by yukuri-2006 | 2015-09-03 23:49 | *お知らせ | Trackback | Comments(0)

ネットショップについて

準備していたネットショップ、開通しました。

まだ点数が少しですが、日々増やしながらいろいろ改良していく予定です。
ゆくりネットショップ
http://yukuriutsuwa.thebase.in/

これまで実店舗で対面と実物でお客様とお話ししてきたものを、ネットで写真と文字のみで過不足なくご説明するというのはなかなかに難しいことであります。
でも、勉強していきながらいいものにしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。











[PR]
by yukuri-2006 | 2015-09-01 23:03 | *ネットショップ | Trackback | Comments(0)

岡山市北区撫川173-1


by yukuri-2006
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31