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作家さんを訪ねて⑶ 稲垣大さん⒊

お待たせしました、稲垣さんの工房訪問記の続きです。


今はすっかり「鍛金の人」という印象の稲垣さん。

ですが、ものづくりを志した際興味を持っていたのは木工であり彫刻的なものだったとか。
金沢美術工芸大学での木工は漆がメインだったそうなのですが、彫刻をしたかった稲垣さんは、その選択の時に敢えてどちらかといえば好みの素材ではなかった金属を選んだそうです。

金属もいろいろな製法がありますが、鍛金とは金属の塊に熱などを加えたり、一目一目叩き延ばして成形していく技法のことです。
古くは武具や仏具などに用いられてきた手法だそうです。

大学に入って間もない頃は金属でのオブジェを制作したり、大きいものを時間を掛けて造ることが多かったのだそうですが、一人暮らしを始め、身の回りのものに触れる度に暮らしのものへの興味が湧いてくるように。

そうした心境の変化の中で偶然出会ったのが柳宗理氏だったそうです。
「とにかくお聞きする話全部がすごく面白くて」

そこからは彫刻から工芸へとどんどん気持ちが移っていき、
「暮らしのものを金属で作りたい」
と思われるように。

こちらは大学で初めて作られた『珈琲ドリップポット』。
作家さんを訪ねて⑶  稲垣大さん⒊_c0155980_20191739.jpg

渋い色に変色していますが真鍮製です。

そして卒業制作で作られたのがこちらです。
『純銀と黒檀のアフタヌーンティーセット』
作家さんを訪ねて⑶  稲垣大さん⒊_c0155980_15291163.jpg


こうしたものは当時柄の部分も金属で制作されることが基本と学校では教えられていたそうなのですが、持ち手は熱くない方がそのまま直接持てるという理由から木で作られています。

敢えてそうされたこの作品からは、暮らしのものや使う人への愛情、これから進むべき方向への覚悟のようなもの、また、ご自分の感性を信じて芯を貫いてこられた意志の強さを感じられました。


卒業されてからは京都で美大受験予備校講師として勤務されながら、鍛金工房「WESTSIDE33」のご主人であり現在その道62年の職人・寺地茂氏に師事され、技を磨かれました。
(寺地茂さん、2011年の10月20日に放送された和風総本家・「ニューヨーク」で出演なさっています)

その後2003年に現在の住所に工房兼店舗兼住居『Dine Factory』を開店し、鍛金での日用品の制作を開始され、今に至ります。



いつも、転機の時には最高の師に出会うことが出来たと言われる稲垣さん。
ものづくりへの真摯な姿勢と謙虚な心を持たれた方だといつも思わされるのですが、そういう方だからこそなのかもしれません。


現在は堺のクラフトフェア「灯しびとの集い」の実行委員もされています。
ご自身、クラフトフェア松本などでの人との出会いに大変感謝されていて、「灯しびとの集い」にも恩返しのような気持ちで関わられているとお聞きしました。
私も数年前までクラフトフェアに関わっていたので、活動への思いなどもたくさんお互いにお話しさせて頂きましたが、「人に支えられて今がある」というお気持ちにとても共感致しました。


次回はもう一度稲垣さんのことを。
作品について書かせていただこうと思います。





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ものづくり便り、更新しています。
今回は岡山の「カフェZ」さんでのヨシダコウブンさんの個展と、大阪の「暮らし用品」さんでの鳥山高史さんの個展です。
また、まだまだ各地で展示会中です。
「ものづくり便り」
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いつも読んでくださってありがとうございます。
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by yukuri-2006 | 2013-07-07 20:38 | *工房訪問 | Trackback | Comments(0)
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