十河隆史さんの粉引の景色 明日は最終日です!
2017年 12月 02日
展示会中によくお聞きに
なられたことを。
粉引の作品に現れているこの模様
ですが、化粧掛けの際にできる
指の跡です。
つけずに掛ける方法もありますが、
これを景色(作品に生まれた表情)
とされています。
惑星や天体のよう、と表現された
お客様もおられました。
また、黒い点は土の中の鉄分が焼く
ことで表面に熔けてでてきたものです。
こちらの写真は裏側。
制作された年と、十河さんのサイン「10」が入っています。
十河さんHPから。
化粧掛けされるご様子。
十河さんの粉引は「生掛け」という
手法で白化粧をかけられています。
この模様や味わいも生掛けだからこそ
出てくる味わいです。
生掛けはガス窯や電機窯などがなかった
昔からの手法ではありますが、注意と
技術が必要で、一度素焼きしてから制作
される作り手も多くおられます。
生地の乾燥が足りなくてもしすぎて
いても崩れてしまい、掛けた後も素早く
水分を飛ばさなければ素地土に水分が
回って壊れてしまいます。
また、化粧土の中に落としてしまうと
簡単に作品が溶けてしまいます。
化粧土の濃さや粘り具合でも雰囲気が
変わってきてしまうため、研究を重ね
られてきたそうです。
お天気の時に急いで外で乾かすのです
が、季節によってはスコールがあって
慌てたり、乾かない間に「白」に惹かれ
やってきた昆虫が歩いて足跡を残したり
暴れていたりで駄目になってしまう
エピソードもお聞きしました。
明日はいよいよ最終日。
十河さんも在廊されます。
ものづくりに纏わるいろいろなお話も
どうぞ楽しみにお越しください。