ネットからも日々ご注文を頂き、
ご覧くださってありがとうございます。
展示会中でどうしてもお時間掛かって
しまいますが、恐縮ですが今しばらく
お時間頂けたらと思います。
こちらは松原竜馬さん、スリップウェアの
長方鉢(21㎝×15.3㎝×高さ4㎝)。
松原さんの作品は、粉引もスリップウェアも
硬い焼物なのに柔らかくて、でもかっこよく
写真で写しきれない色気があります。
「地に足の付いた」というか、物静かな中に
強さがある、間違いなく日々の食卓で長く
活躍してくれそうな安定感。
器が作り手を体現している一つの
例のようにも思えます。
スリップウェアは一般的には17〜18世紀
イギリスで用いられた技法で、スリップ
(泥状の化粧泥)でうつわに模様を描く
ものです。
粉引は鉄分の多い赤い(黒い)土に白い
化粧泥 をかけたものですが、松原さんの
こちらは黒い 化粧泥を掛け、その上から
白い化粧泥をいっちんというスポイトの
ような道具で模様を描いたもの。
お付き合いし始めの頃の松原さんは粉引の作り手のイメージがありましたが、今はこのスリップウェアも松原さんの代名詞の一つ。
白い化粧泥を使う粉引からは自然な流れで
黒い化粧泥のスリップウェアを作り始められ
ました。
掛ける釉薬は飴釉であったり、藁灰釉で
あったり(松原さんの藁灰釉はクヌギの
灰も調合したもので濃い部分に美しい
グラデーションが作られます)。
長方皿と並んで、間違いなくお料理の映える
スリップウェアの逸品です。