どんな鉄瓶を選べばいいか分からなくて、というお声をよくいただきます。
値段も数千円から高いものは数十万、どうしてそれ程違うのでしょう。
鉄瓶の製造方法は、大きく2種類に分けられます。
製造における全ての工程を職人によって行われる「焼型(やきがた)」製法。
機械によって型を造る「生型(なまがた)」製法。
焼型は古来から伝わる製法で、職人が一つ一つ型を作ります。
厚みを薄く作ることができるのでその分鉄瓶も軽くなります。
生型は砂に凝固剤を入れて機械で圧縮して作る型で、大量生産できる製法です。
比較的安価(数千円〜2万)であることが多いですが、厚く重くなるデメリットもあります。
焼型で作る場合、内部の錆止めも約900度で炭火の釜で焼き酸化皮膜を作ります。外側焼型には漆の焼き付けを施されています(生型製法の鉄瓶にはカシュー塗料を使われることが多いです)。
鉄瓶は胴型・尻型と上下2つの型を制作して、それを重ね合わせて鋳込んで作られます。
なので出来上がった鉄瓶の中央部分には1本の線(胴型・尻型の境目)が出ます。
これを毛合せ(けあせ)といいますが、腕のいい職人が作った鉄瓶はこの毛合せが髪の毛の様に細く作られております。
機能と軽さだけでなく、この毛合せ、肌、漆の焼き付けの美しさにもご注目いただけたら嬉しく思います。
(写真は「雫(しずく)」。茶漆で仕上げられていますが黒漆のオーダーもできます)
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鉄瓶と暮らす
森のてつびん屋 髙橋大益 個展
2022.12.3 sat - 12.11 sun
11:00 - 17:00 期間中無休
※展示会後通販予定しています
オーダーもご相談ください
岩手県雫石で鉄瓶を作られている髙橋大益(だいえき)さん。
6年ぶりの鉄瓶展です。
人柄の滲んだ愛らしい鉄瓶に前回もとても好評をいただきました。
鉄瓶で沸かしたお湯はまろやかで美味しいだけでなく、吸収の良い二価鉄も摂取できます。
「鉄瓶は使い方が難しいのでは」というお声を頂くこともございますが、お手入れは簡単で
お湯を沸かし使用後に乾かすだけ。
暮らしに取り入れて毎日楽しんでいただけたらと思います。
蓋に付いた持ち手を「摘み(つまみ)」というのですが、ペンギン、猫、犬、灯台、家など様々な摘みがあります。
本体と蓋の摘み、お好みの組み合わせでオリジナルな鉄瓶をご注文いただけます。
※サイズにより合わない場合もございます。
鉉(持ち手)が熱くならないよう、鉉に紐巻のオーダーもお受けいたします(平鉉のみになります。藍染・柿渋染・クルミ染の3種類ございます(4000円~))